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長濱ゼミ

映画「夜明け前の子どもたち」の鑑賞会(展開ゼミナール)

2024年05月17日 金曜日 / カテゴリー 長濱ゼミ

展開ゼミナールの活動報告になります。

 

 

今回は障害者福祉の歴史的側面の理解として映画鑑賞を行いました。

 

映画のタイトルは

「夜明け前の子どもたち」

 

 

 

 

 

この映画は、障害者福祉の先駆者として著名な糸賀一雄さんの企画・監修による滋賀県の「びわこ学園」の療育活動記録映画です。

 

1968(昭和43)年製作になりますので、今から56年前の重たい障害のある子どもたちへの試行錯誤の療育実践が描かれています。

 

 

 

糸賀一雄さんと言えば、

 

「この子らを世の光に」

の言葉が有名です。

 

 

どのような支援を行うべきかの葛藤のなか、現在であれば認められない支援も映し出されていますが、

一人ひとりに向き合う意識、試行錯誤の実践、変化がみられる子どもたち など

多くのことを考えさせられる映画でした。

 

 

 

髙谷 柚美香

夜明け前の子どもたちを見て、最初に受けた印象は「偏見」でした。

今ほど障害を持っている人の人権は保障されておらず、ナレーションも完全に危ない人を見るような言葉に感じ取りました。ナレーターの視点も偏見が根本にあって私たちが完全に偏見を持たざるを得ない動画に私は感じました。

ですが、どこに行くか分からないからベッドと子供を紐で縛り付けることも当時の最善策だったのだろうと考えました。
今では様々な制度があり、国での政策もあるため、虐待のように感じられる行為ですが、当時では障害を持っている人に対しての人権が保障されていなかったため、縛り付けるなど物理的に制御するしかなかったのだと感じました。
この映画を見て、感動する映画というよりは、人間の中の性質が違うだけでどれだけ周囲の目が変わるのか、変わってしまっていくのかを考えさせられる映画でした。

 

 

 

 

南保 衣里

寝転んでいる子供の視線が定まらない目のクローズアップに続いて身体の各部位が強調されていく点や、普段身体拘束をしている障害者を拘束を解いて散歩する場面で不気味な音楽が使われ、明らかに「異質さ」が演出されている点、職員の退職により涙を流し悲しんでいる障害者を見て、制作者が「障害者に悲しい感情があるとは驚いた。」と述べていた点から、当初障害者に対して差別的な視点があり、理解が追いついていないのだと感じられた。

しかし、それは制作者が子供たちに相対した時に感じた戸惑いの素直な表現でもあったのかなと思った。

さらに、施設と外界とを結ぶ「白い廊下」は、その寒々しい光景がこの厳しい現実を説明しているように感じた。
まだ確かな療育方法がない中、試行錯誤で対応する職員たちの姿には、現在の私たちも学ぶべきことだと思った。

 

 

 

殿村 晶哉

私は感想会時に「犯罪者のような扱い」という表現を使いましたが、
映画の中で他者から遠ざけるようにしたり見せないなどの行為は、犯罪者が罪を償う一定期間社会と隔離しているような扱いではないかと考えたことによります。
最近「網走監獄」へ行ったきました、その時に感じた感覚や気持ちと同じような感じ受ける部分が鉄格子などの行動の制限に感じられました。
適切ではないのは知っていますが、他に言葉が見つからない感覚でした。
しかし、どうすれば子供たちへの支援がより良くなるのかと考えながら取り組む意識と行動はとてもすごいと感じました。

 

 

今後も障害領域の学びを深めて新たな配信ができるようにしていきます。

よろしくお願いいたします。

 

 

長濱展開ゼミナール

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