元施設職員へのインタビュー
専門ゼミナール報告を行います。
コミュニティ福祉学科3年の熊谷 鈴夏です。
一月も半ばを過ぎ、ますます冷え込んできました。
後期の授業も終盤となり、テストや期末レポートに向けた準備を進めています。憂いなく春休みを迎えたいものです。
今回は長濱専門ゼミナールのフィールドワークとして1月10日に、第4回目となるインタビューを行いました。
ご協力いただいたのは、当事者家族ではなく元施設職員の方です。
なぜ元職員なのかと言いますと、これまでの当事者家族へのインタビューの際、家族の方たちから子ども施設に預けることに不安や葛藤を抱えていたが、職員の対応でその不安が和らいでいったとお話を聞きました。
そこで、養護学校(現特別支援学校)義務化前後を知的障害児入所施設で保母さん(現保育士)として勤務され、当時の受け入れなどの事情に詳しい職員にお話をうかがうことにしました。
(入所施設で勤務された元職員へのインタビューの様子)
当時の施設職員から見た入所受け入れ時の家族の様子を中心にお話を聞いたところ、
やはり、親はまだ小さいわが子を施設に預けることに葛藤がある様子が随所に見られていたとのこと。それでも
農業などに携わり十分に子どもを見ていてあげることができない、
きょうだいもいて養育することが難しい、
当時は就学免除などで義務教育を受けさせられない、
といったいろいろな悩みを抱えながら子育てをしていた家族がたくさんおられたこと、
児童相談所における相談から入所施設に預けることにしたものの、
預ける時には職員に対し、「子どものこと、よろしくお願いします。」と何度も繰り返しながら帰られたことなど、
子どもを心配する親の気持ちの強さがいろいろなエピソードから感じ取れました。
決して子どもを愛していないから預けるわけではなく、必死な思いで子育てをしている親にとって施設は養育の限界へのセーフティーネットになっていたことがお話からうかがうことができました。
そんな親の思いを受け止める施設職員も子どもたちに対して親の気持ちで接し、少しずつ成長していく子どもたちの様子をともに喜び、たしかな愛情をもって関わっていたそうです。
そのような施設職員の子どもへの愛情、大切にしてくれていることは親にとって安心感につながっていたのではないかと考えます。
また、施設では家族とたくさんの交流をしており、
母の日、子どもの日といった特別な日や運動会などの行事をイベントとして取り入れ、親子での交流を大事にしていたそうです。
そして職員と親の交流も大事にしていたとお話されていました。
親にとって、いつでも相談できる場所・人が存在することは大きな安心感につながっていたのではないでしょうか。
施設は、子どもの成長をしっかりと把握してくれていて、親である自分たちの不安を受け止めてくれる存在であると親が感じ、確かな信頼関係が構築されていたのだと思います。
しかしながら、そこには、職員が子ども親に対し誠実であること、きめ細やかなケアが必要となり、それらが欠けると家族から職員への不信感につながってしまいます。
それぞれの家族に合わせたサービス提供は、家族が施設に安心感を持てる一つのカギとなってくるのだと考えられます。
これまでのインタビュー調査を通して、当事者家族の量的研究としてのアンケート調査の実施も具体的になってきました。
4年次の研究ゼミナールへつなげて継続した研究を実施していきます。
引き続き、取り組みの様子を皆さんにお伝えさせていただきます。
(インタビュー後、初対面の方には絶対近づかないと言ってた猫と戯れる福原さん、この後抱っこしていました)
インタビューからの帰途、
パン工房「ぷらんたんガトー」(生活介護デイセンターくるみの従たる施設)に立ち寄りました。
(春光台にありますぷらんたんガトーの外観)
(夕方に訪れたため、ほとんどが売り切れていました)
こちらの工房ではパンとともにケーキも販売されており、私たちはケーキを購入して食べました。
(ガトーショコラ、バスクチーズケーキ、リンゴのタルト)
とてもおいしかったです!
みなさまもお時間があるときにぜひ行ってみてください。
専門ゼミナール
熊谷鈴夏