鷹栖ソーシャルワーカー懇話会参加報告第2弾
長濱ゼミ専門ゼミナール(3年生)の活動報告です。
皆さん、こんにちは。
コミュニティ福祉学科3年の福原知謹(ふくはらともちか)です。
年の瀬が迫り、今年も残りわずかになってきましたが皆さんはいかがおすごしでしょうか??
我々長濱ゼミも年の瀬は様々な活動を続けており、今期から始動した新規ゼミではありますが、私、福原も長濱先生と共に走り抜けた一年だったなと感じております。
このブログ記事の運営も無事に1年間続けることができました。
来年度もどうぞよろしくお願いいたします。
去る2023年12月23日は
【令和5年度第8回(通算128回)鷹栖ソーシャルワーカー懇話会】
に参加いたしました。
長濱ゼミとしては2回目の参加となります。
「1回目の記事はこちら:鷹栖ソーシャルワーカー懇話会参加報告」
鷹栖ソーシャルワーク懇話会は、基本的な活動を月に1回、鷹栖町にある会議室を貸し切り行われます。
分類としては、勉強会→事例検討→勉強会→事例検討と交互に行われており、今回は事例検討を行いました。
(本日は、長濱先生が事例検討に対するファシリテーターを務めていました)
※ファシリテーターとは・・・会議やミーティングなど議論や意見交換の行われる場で、参加者たちの話の内容を整理したり、意見が活発に出るように発言を促進したりする進行役のことをいう。議論の決定権は持たず、中立的な立場で討論が円滑に行われるようにする世話役を担う。(参:Weblio辞書)
それではまず・・・
そもそも事例検討とはなんなのか??
事例検討(会)とは、厚生労働省の資料(「事例検討の意義と理解」著:明治学院大学 新保美香)によると、
「ケースカンファレンスと同義で用いられており、様々な専門職種が一堂に会して援助、支援の方向性を検討する場、機会である。」と述べられています。
また、その(事例検討介)の目的としては、
1.対象事例を丁寧に振り返ることによって、課題の実現を妨げている要因・原因を明らかにすること。
2.職員の教育・研修の機会とすること。
3.関係機関・専門職種との連携・協力・協働関係を築き上げていくこと。
4.福祉課題を発見し、地域のネットワークの構築と社会資源の創造に結び付けていくこと。
5.クライエント(利用者)の豊かな生活、継続的な支援を実現すること。
となっています。
この定義・目的をもってして、導かれる意義としては、
1.担当者が問題・課題を抱え込むことを回避する。
2.さまざまな職種が、課題を全体で共有する。
3.援助・支援の方法が広がり、問題・課題を拾い上げる網の目(セーフティネット)が細かくなる。
と、新保氏は述べられています。
そして、そのポイントとしては、
1.「うまくいかない経験を大切にする」という姿勢の共有。
2.事例提供者の想いを傾聴し、事例提供者ができる支援のあり方を考える。(事例提供者に「できない」ことは、ともに支援にかかわるチームの誰がサポートできるか考える。「多数決」や「あるべき」で、支援の方向性を決めることを避ける。)
3.ストレングス視点を持ち、利用者、支援者、環境のストレングス(強み)をとらえ、
それをアセスメントやプランニングに生かす。
4.利用者を置き去りにしない。(利用者に実現可能かどうか、利用者を主体とするものになっているかどうかを確認する。)
以上が全体の概要となっております。
(僕の中では、若干ばかし本当にそれが行われているか疑問な部分もある、「定義・目的・意義・ポイント」ではありますが。。。
なお、黒太文字は僕自身が大事であるなと思っているポイントです。)
今回の鷹栖ソーシャルワーカー懇話会における事例検討(会)は、詳細は述べることはできませんが、
鷹栖懇話会メンバーの小学校教員が担当しているN町小学校における
【ネグレクト家庭への対応】
に関しての、事例検討となりました。
この事例検討を振り返ると、
先程の「定義・目的・意義・ポイント」が当てはまるところが多くあることが分かります。
例えば、今回であれば、
【目的】
1.対象事例を丁寧に振り返ることによって、課題の実現を妨げている要因・原因を明らかにすること。
こちらに関しても、
①支援者が現在ある【歯車がかみ合っていない】状態に陥っている環境そして人に関して、自分自身がどのように関わっているかを述べる。
②そしてそれに関し、専門的に様々な場面でSWに関わっているもしくは研究している方々が、
自分が気になっている部分に関して、質問を加えることにより、その状態をよりコンクリートなものにしていく。
③そこから浮かび上がる要因・原因を抽出していくことにより、福祉を充足するための【(a) must】を深める。
一連の流れができあがっていることを「定義・目的・意義・ポイント」を知ることによりみることが可能になります。
鷹栖懇話会の一回目の記事にも書きましたが、
この事例検討を含めた、現場の方々が多くいる勉強会に参加する価値は、
「学術面での教科書に書かれていない現場の声が聞けること」
ではないかと僕自身は考えています。
このとき、僕ら大学機関に所属し研究を深めている人間が持たなければならない視点があるのではないかと常日頃自分自身は考えております。
それを最後に書かせていただき、本日の記事を終了しようと思います。
その視点とは、
批判的視点をもつこと
これが大事なのではないでしょうか。
これをより、詳細に述べるならば、
今回の事例検討においても、そして様々な問題に対しても人間の思考というのは、
「この要因・原因に対して、どれそれが足りない・どれそれが動けていない」
という考えに陥ってしまう傾向が強いのではないかと感じています。
確かに、原因を追究し、それの改善を図るというのは当然必要なことではあります。
ここで、僕ら長濱ゼミに所属している人間は、長濱先生が常に僕らに問いかけてくる言葉を思い出すのです。
それが
「その人が望むこと・ものに対して、既存にあるものを支援に結びつけ我慢してもらうのではなく、
その人のニーズに適応する資源を導き、そして無いのであれば作り出さなければならない」
この常日頃問いかけられているメッセージを僕は、ある意味【環境の治療】と考えています。
僕らが目指しているとことのSWとは、応急処置を行うことではありません。
つまり、要因・原因を改善することが最終的ゴールではないと考えています。
それではなにをしなければならないか。。。
それは、
いま【歯車がかみ合っていない】状態に陥っている環境そして人に関して、
その人達が生きている社会に対して、社会変革という治療的アプローチを行うことだと僕は考えています。
(医学モデルを推奨していることではありません)
医学に対して数年携わっていた自分としては、この考え方はとても理にかなっており、
応急処置をしたのち、治療を行う。
そして、その治療が根治できないのであれば、対症療法を行う。
これが自然の原理のはずだと考えています。
つまり、
【歯車がかみ合っていない】状態に陥っている環境そして人に関して、
そのニーズに対し、ニーズに見合う資源を導きだし、支援を考えていく。
その支援がないのであれば、環境に働きかけ、ニーズを充足できる環境の治療を行う。
その環境の治療が行えないのであれば、対症療法として、いくつもの課題を細分化したのち、資源を細かく割り当てて、ネットワークを網の目のようにつなぎ合わせていくしかない。
これが、僕自身がいま【BEST】はないが【BETTER】なアプローチなのではないかと結論つけている状態です。
つまり、
応急処置 → 対症療法 → 根治治療
ではなく、
応急処置 → 根治治療 → 対症療法
でなければならないということです。
最後になりますが、
今年もこのように考察を長濱先生と共に常に考えながら日々を過ごして今年も終わりを迎えようとしております。
多分、一生、福祉の在り方というものには答えが見つけられないとは思っております。
ただ、福祉というものを、自分自身は動物福祉から始まり人の福祉を学び、十年を迎えておりますが、
知れば知るほど、どうしたら環境をよりよいものにしていけるのか。
その妄想はつきることがありません。
この長濱ゼミに所属していられるのも、あと1年とちょっと。
最大限の成果をもって卒業できればなと思っております。
来年もどうぞ長濱ゼミの活動報告を読んでいただければと思います。
長濱からの一言
鷹栖ソーシャルワーカー懇話会では、年に数回、交流会としてバーベキューや忘年会の機会が設けられています。
このような機会は、事例検討会や学習会とはまた違った感じで楽しいひと時を過ごすことができます。
交流の様子を見ていますと、現職の方とのお話は学生にとって素敵な体験になっていることを実感します。
(現職の方々と談笑している熊谷さん)
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話は変わって、今年も終わりを迎えるにあたり、
先日、今年を労うということで、長濱ゼミ3年生と長濱先生で忘年会を行ってきました!!
コロナも明け、先生との交流もできるようになり、
来年度の鋭利を養うことができ、とても楽しいひと時でした。
(バーでのひと時。なお、参加メンバーは全員が成人を迎えております)
コミュニティ福祉学科3年
福原知謹