旭川大学震災ボランティアサークル円陣~EnginE~第19回活動報告
Ⅰ 活動日程
2020(令和2)年2月10日(月)~2月15日(土)(移動日含む)の6日間
Ⅱ 活動場所
岩手県宮古市災害公営住宅(和見、近内、八木沢)ならびに公民館(西上村、鍬ヶ崎、磯鶏)、宮古市立山口小学校
計7カ所
Ⅲ 活動目標
私たちのモットーは「必要とされる限り関わり続ける」です。岩手県宮古市では道路や建物の復興は進んでいますが、心の復興はこれからだと思います。そこで以下の目標を掲げました。
- 住民の方々と楽しい時間を過ごす。
- 利用者に「寄り添う」意味について、より深く広く考える。
- 地域とより繋がるためのきっかけを作る。
Ⅳ 活動概要
今回の活動の参加メンバーは、学生7名と教員1名の計8名でした。10日に旭川を出発し、室蘭からフェリーに乗り、11日の朝に宮古入りしました。14日の午前まで計7カ所の災害公営住宅、宮古市立山口小学校ならびに公民館の集会場で活動をしました。内容は「お茶っこ」(お茶を飲みながらお話をする活動)、「アンサンブル演奏」(上を向いて歩こう、加山雄三メドレー、花は咲くなど)、「カラオケ交流会」(好きになった人、明日があるさ、恋のバカンス)、今回は行けなかったメンバーからの手紙でした。山口小学校では、全校児童向けに「楽奏会」(アンサンブル演奏会)と、スクールバンドの部活動に参加して吹奏楽教室を実施しました。「楽奏会」では「ドラえもん」「Under the Sea」を演奏しました。すると5年生から手拍子が始まり、全校児童186人からアンコールが起こりました。そこで私たちは「ひまわりの約束」を心込めて吹きました。子どもたちの歌声も響き楽しい演奏会になりました。
Ⅴ 今後の円陣について
今回、19回目の活動では住民の皆さんから以下のようなコメントをいただきました。
「台風で息子を亡くして、毎日写真を見ている。(略)こういうイベントで友達ができて、楽しくいられるから生きていける」
「(皆さんのような若者たちが)来てくれることが生きがい」
「(皆さんが来てくれたから)明日からも頑張って生きていける」
「震災があって悲しかったけれど、あなたたちに会えてよかった」
「(私たちのことを)もっと伝えてほしい」
と言ったコメントをいただきました。ある利用者の方は車のナンバープレートを「311」にしています。
政府の復興支援は2021年度以降も5年間延長されました。しかし「社会的な関わりにおける課題がより深刻になっている」そして「今でも一人で泣いている人は実際にいる」(宮古市社会福祉協議会地域福祉課 佐々木課長)状況です。
この5日間だけでも私たちには多くの出会いがありました。円陣での時間は、そのような出会いを通じて「自分を見つめ直し、課題や反省点などを改めて認識し、それを将来に役立てるきっかけをつかめる」(経済学部経営経済学科2年 鈴木淑仁)大切なものです。大学での学びとは資格や収入につながるものばかりではありません。このように人や社会について考えを深め広げていくきっかけを得ることができて、大学で学ぶことができてよかったと思っています。
私たちは「必要とされる限り関わり続ける」をモットーにこれまで9年間、19回の活動をしてきました。これからも「耳で聞いて、心で感じる」を大事にしながら活動していきたいと思っています。
今回、お世話になった宮古市社会福祉協議会の佐々木様、小笠原様、赤沼様、宮古市山口小学校の妻田校長先生、菅原副校長先生、小野寺先生、各災害公営住宅や公民館談話室利用者の皆様、旭川大学の教職員の皆様、心より感謝を申し上げます。
(文責 保健福祉学部保健看護学科 2年 稲田友紀)
(写真は全て掲載許可をいただいています。)