第5回現代メディア研究会を開催しました
11月11日(金)、103ゼミ室にて第5回現代メディア研究会を開催しました。今回は、初めて小説を題材としました。課題図書は、今村夏子(2016)『あひる』より短編小説「あひる」です。杉村ゼミの3年生や学務課の大塚さん他、計7名が参加してくれました。
今回のディスカッションテーマは、①あなたが「わたし」だったら両親にあひるへの違和感を伝えるか、②最も不穏さを感じたシーンはどこか、③他者の恥に対してどのようなケアが必要だと考えるかの3つです。
本作品では、主人公のわたしと父、母、ペットのあひるを中心に、家族の日常が主人公の視点から描かれています。目に見える崩壊は起きませんが、読み手の調子を狂わす表現が続きます。違和感がじわじわと効力を発揮して、強い不安を感じました。
ディスカッションパートで、不穏さ、代替性、恥、家族、作者の意図について参加者それぞれの意見を話し合いました。メディ研では、意見をやり取りする際に、本人のバックグラウンドが色濃く出ます。「旭大生らしい」、「教育を勉強している人だ」など、その人らしい意見を聞けるのが新鮮で毎回楽しい時間になります。また、今回は、今までファシリテーターとして場を回していた田中先生が一参加者として話をしたので、いつもとはまた違う雰囲気を楽しむこともできました。
次回は、12月9日(金)に開催します。レズビアン映画の『キャロル』(2015)を鑑賞予定です。田中先生の講義科目でアナウンスがあります。毎回新しいメンバーが来てくれて、それがすごく楽しいので、もっと色んな人の話を聞いてみたいです。ぜひ気軽にご参加ください。
ケアに関わる議論が展開される
「個人や家庭の責任にしたくないのよ〜」と粘る田中先生
「『ソト』は必要ですよね」と学生たち
春名さん、ファシリテーターお疲れ様でした!
『あひる』は本学図書館で貸出可能です
複雑なものを複雑なまま解釈する会
3年 佐々木扶